ODI vs OCI Data Integration - 主なOracleデータ統合製品徹底比較

Data Integration

初めに

OCI (Oracle Cloud Infrastructure) Data Integration は、2020 年 6 月にリリースされた、クラウドネイティブなデータ統合サービスです。

Oracleの製品(サービス)でデータ連携をしようとすると、ODI(Oracle Data Integrator)をはじめ、オンプレミス版・クラウド版など複数の選択肢があり、「結局どれを使えばいいのか分かりにくい」と感じる方も多いと思います。

本記事では、Oracle Data Integrator (ODI) に関連する主要な製品群(オンプレミス版およびクラウドサービス)について、簡単に比較・整理します。各製品・サービス間の違いに焦点を当てた内容となっており、具体的な使用方法を解説するガイドではありませんので、あらかじめご了承ください。

なお、OCI-Classic(Gen 1)で提供されていた「ODICS (Oracle Data Integrator Cloud Service)」については、今回は対象外とします。

本記事は ODI シリーズ記事の第一弾となります。ODI 関連製品(サービス)にご興味のある方は、あわせて関連記事もご参照いただければ幸いです。

ODI On-P

Oracle Data IntegratorのOn-P版です。.
(正式な製品名は"Integrator"であり, "Integration"ではありません。)
最新バージョン: 12.2.1.4.0 (2021年5月時点)
ダウンロードリンク

ここには、ODIのアーキテクチャを詳しく話しませんけど、知っておく必要があるのは、ODI Studio、リポジトリDB、およびスタンドアロン・エージェントが、ODIの3つのコアコンポーネントであることです。

ODI component

12.2.1.3.1から、ODIはAutonomous DBとOCI Object Storageのサポートを開始します。これは、大きなエンハンスメントです。
ODI enhancement

ODI Marketplace

Oracle Data IntegratorのOCI Marketplace版です。
OCI Marketplaceより立ち上がると、Oracle Data IntegratorのインスタンスがOCI上に作成されます。
最新バージョン: 12.2.1.4.0 (On-P版と同じ)

入口:MENU → Solutions and Platform → Marketplace → All Applications
検索ボックスに「data integrator」と入力すると、次の3つのタイプが表示されます。
ODI Marketplace

「Classic BYOL」版は、12.2.1.4に基づくOracle Data Integrator(ODI)の完全なインスタンスを提供します。「Classic BYOL」と「Classic」の差異は、価格モデルです。BYOL(Bring Your Own License)か無料の違いです。「Web Edition」はWebベースのデータ統合プラットフォームであり、簡素化されたユーザーエクスペリエンスを提供します。

これから「ODI Marketpalce」について話している時は、「Classic」または「Classic BYOL」版 を指していますので、ご了承ください。

ODI Marketplace vs ODI On-P
「ODI Marketplace(MP)」と「ODI On-P」は、ほぼ同様な機能を持っています。
以下はいくつかの違いがあります。
1. 「ODI MP」の場合、Autonomous DBがリポジトリとして利用できますけど、「ODI On-P」の場合、それができません。
リポジトリDBは、物理的にODI Studioの近い場所に設置する必要があります。そうしないと、ODI Studio上の操作は、パフォーマンスの懸念があります。「ODI MP」を使う時、リポジトリDBをADBにする場合、ODI StudioとADB両方がOracle Cloud上にあるため、特にパフォーマンスの懸念がありません。
「ODI On-P」を使う時、リポジトリDBがクラウド上ではなくOn-Pで設置しておくことをお勧めします。

2. 既存のADBがあり、それをリポジトリDBとして選択した場合、「ODI MP」を立ち上がると、リポジトリが自動的に作成されます。また、スタンドアロン・エージェントも作成されます。
「ODI On-P」の場合、リポジトリを手動で作成する必要があります。また、必要に応じてスタンドアロン・エージェントをインストールする必要があります。

3. 「ODI MP」は、オンプレミス側のリモート・エージェントをサポートしていませんが、「ODI On-P」のほうは、サポートします。MOSドキュメント(Doc ID 2642302.1)には、この点を明確に記載しています。

4. 「ODI MP」は、Linux OSのみを対応しています。OSタイプを選択することはできません。
「ODI On-P」の場合、LinuxとWindowsの両方を選択できます。

OCI Data Integration

ODIシリーズに、OCI PaaS版のサービスです。
2020年6月にリリースされ、現在OCIの全ての商用リージョンで利用できます。

入口:MENU → Analytics & AI → Data Lake → Data Integration → Create Workspace
「OCI Data Integration」にあるワークスペースは、On-P版ODI Studioのようなものです。
OCI Data Integration

比較一覧表

ODI On-PODI MarketplaceOCI Data Integration
配置場所オンプレミス (或いはOCI Compute)OCI ComputeOCI PaaS
OSWindows/LinuxLinuxのみN/A
Source/Target DBOracle DB, OCI Object Storage, 多くの種類の非Oracle DBを対応するOn-Pと同様Oracle DB, OCI Object Storage, MySQL, PostgreSQL, Amazon RDS, Amazon S3, Hive,etc
リポジトリDBADBはサポート対象外ADB,Oracle,MySQL,etcN/A
インストール方法手動OCI MPからComputeインスタンスを作成。(ODI studioとスタンドアロン・エージェントは実装済)ワークスペースの作成
価格モデルライセンス要
(価格表 JPY)
OCPU hours
BYOLか無料(現時点)
OCPU hours
製品HPLINKClassic BYOL
Classic
Web Edition
LINK

ODI On-P/MPでサポートされるソース/ターゲットDB
ここは、最新のODI 12.2.1.4.0用の Excelファイルです。"ODI Source-Target"シートを参照してください。

OCI Data Integrationでサポートされるデータ・アセット
ここは、一覧表です。
Supported data asset

いつ何を使うか

それは、あまりにも多くの要因、例えば、ソース/ターゲットDBのタイプは何か、それらはどこにあるかなどに依存します。いくつかのポイントをご紹介しますので、ご参考まで。

1. ソースDBとターゲットDBの両方がOn-Pにある場合は、「ODI On-P」が適切な選択です。
2. ソース/ターゲットDBの少なくとも1つがクラウド上にある場合は、「ODI MP」または「ODI Data Integration」の使用を検討することをお勧めします。
3. 初心者にとって、ODI On-P(スタジオ/リポジトリ/エージェント)のインストールと設定は、簡単な作業ではないで、ステップバイステップの手順は必要です。「ODI MP」また「OCI Data Integration」のほうは、簡単で迅速に構築できます。
4. 今のところ、「OCI Data Integration」でサポートされているデータ・アセット、特にOracle以外のDBタイプは、ODI On-P/MPより少ないですが、将来的にはもっと多くのDBタイプがサポートされると思います。

以上

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