Oracle Analytics Cloud についてのFAQ

OAC

初めに

Oracle Analytics Cloud(OAC)を利用する中で、「一時停止中の課金はどうなるのか?」「定時に起動・停止させる方法は?」「プライベート・サブネット内のOACへのアクセス方法は?」など、多くの疑問が生じることと思います。本ブログでは、これらのよくある質問に対し、具体的な回答をまとめています。OACの効果的な活用と運用の参考になれば幸いです。

OACに関するFAQ(よくある質問)

課金 (非常に重要)

質問-1: OACインスタンスは一時停止の場合、課金が発生しますか?
回答:OACインスタンスを一時停止しても、課金が完全に停止するわけではありません。通常の15%の課金引き続き発生します。再開すると、通常の課金に戻ります。課金を完全に停止したい場合は、OACインスタンスを削除する必要があります。

一時停止すれば課金が発生しないと思っている方が多いため、ご注意ください!

MOSドキュメント(Doc ID 2934259.1)の記載内容の抜粋:
OAC instance billing

コスト試算
エディション:Enterprise Edition(ライセンス込み)
OCPU数:2
毎月の稼働時間:12時間/日 * 20日 = 240時間(停止時間=744-240)
コストの計算式:333.343円 * 2 * 240(稼働時間) + 333.343円 * 15% * 2 * 504(停止時間) = 210,406円

OAC cost estimate
見積もりサイトのリンク:https://www.oracle.com/jp/cloud/costestimator.html

コストの目安
Enterprise Edition(ライセンス込み)で、2 OCPU構成の場合、月額の想定コストは以下の通りです(小数点以下は切り捨て)。

稼働時間稼働時間帯の料金停止時間帯の料金合計料金(円)
常時稼働
(24時間/日 * 31日)
¥496,0140¥496,014
平日の8:00~20:00
(12時間/日 * 20日)
¥160,004¥50,401¥210,406
平日の9:00~19:00
(10時間/日 * 20日)
¥133,337¥54,401¥187,738
平日の9:00~17:00
(8時間/日 * 20日)
¥10,6669¥58,401¥165,071
※、上記の計算結果によると、常時稼働(24時間*31日)の料金は、平日8時間稼働の場合と比較して約3倍になります。

起動停止

質問-2: OACインスタンスを定時に起動・停止させることは可能ですか?
回答可能です。夜間や土日祝日にOACインスタンスを使用しない場合、コスト削減のために停止することをお勧めします。リソース・スケジューラはOACを対応していませんが、OCI-CLIを使用すれば簡単に実現できます。

Auto start/stop OAC instance

ステップ
1. 管理サーバにOCI-CLIをインストールして、構成ファイルを設定する。
2. 起動・停止用のスクリプトを作成する。(以下参考例です。実際の運用環境では、状態チェック処理を追加してください。)
OACの一時停止:oci analytics analytics-instance stop --analytics-instance-id \
OACの再開:oci analytics analytics-instance start --analytics-instance-id \
3. 管理サーバから定時にスクリプトを実行する
Linux OSの場合:crontabを利用
Windows OSの場合、タスク・スケジューラを利用

Linuxの実施例: 毎日18時(OSのタイムゾーン)に自動停止スクリプトを呼び出す設定を行う。

[opc@linux8 ~]$ crontab -l
00 18 * * * /home/opc/shell/oac_auto_stop.sh
OCI-CLIを実行する管理サーバは24時間稼働させる必要があります。OCI Always Freeのインスタンスを活用することが可能です。

Autonomous DBのようなネイティブの自動起動停止機能があれば便利ですね。

接続方法

質問-3: プライベート・サブネットに配置されるOACにアクセスするために、何か方法がありますか?
回答:いくつかの方法があり、それぞれに特徴があります。状況に応じて適切な方法を選択しましょう。

  • 方法-1: 同VCN内の踏み台サーバ(Computeインスタンス)を経由してOACにアクセス。
    特徴:シンプルで一般的な方法である。
  • 方法-2: 踏み台サーバ(Linux)を経由し、SSHポート転送でOACにアクセス。
    特徴:方法-1に比べ手間が少なく、踏み台サーバをLinuxにすることでコスト削減が可能。Connect to OAC via SSH Tunneling (Port Forwarding)
  • 方法-5: IPSec VPN、或いはFastconnectを利用。
    特徴:プライベート通信で接続する。

質問-4: パブリック・タイプのOACから、プライベートサブネット内のBase DB/Autonomous DBインスタンスに接続できますか?
回答:可能です。使用しているOACのエディションによって方法が異なります。

  • Enterprise Edition:
    • Step-1) OCIコンソールから、PAC (Private Access Channel)を作成し、接続先のホスト名(DNS)をプライベートソースとして追加する。
    • Step-2) OAC管理コンソールから、ターゲットDBへの接続をPAC経由で作成する。
  • Professional Edition: PACを利用できないため、データ・ゲートウェイを利用する必要がある。
    • Step-1) DBインスタンスと同じサブネットに、Computeインスタンスをを作成する
    • Step-2) Computeインスタンスにデータ・ゲートウェイをインストールする。
    • Step-3) OACとデータ・ゲートウェイ・サーバの間の接続を確立する。
    • Step-4) OAC管理コンソールから、ターゲットDBへの接続をデータ・ゲートウェイ経由で作成する。

質問-5 OACがプライベートサブネットに配置されている場合、同一サブネット内のOracle Database/Autunomous DBへのアクセスにおいても、Private Access Channel(PAC)またはデータゲートウェイの経由は必須ですか?
回答 はい。たとえ同一サブネット内のリソースへのアクセスにおいても、PACまたはデータゲートウェイの経由が必須となります。

エディション

質問-6 OACにはEnterprise EditionとProfessional Editionの2つのエディションがあり、機能面ではどのような違いがありますか?
回答 機能面の比較は次となります。

OAC Editions

詳しくはドキュメントをご覧ください。

※、日本語版は機械翻訳によって分かりづらい部分があり、できるだけ英語版をご覧ください。

質問-7 現在、Oracle Analytics Cloud(OAC)の「Professional Edition」を利用していますが、「Enterprise Edition」へアップグレードしたいと考えています。アップグレード方法を教えてください。
回答 OCIやOACコンソールには、エディションのアップデート機能がありません。新規にOACインスタンスを作成し、エディションタイプを「Enterprise」に選択してください。その後、既存のインスタンスから新しいインスタンスへコンテンツを移行する必要があります。

IDCS(認証と権限)関連

質問-8:OACインスタンスの作成をスクリプトで自動化したいのですが、アクセストークンは必須ですか?もし必須であれば、そのトークンを作成する方法は?
回答:CLI/REST API、またはTerraFormを使用してOACインスタンスを作成する場合、アクセストークンが必須です。トークンの作成方法については、次の記事をご参照ください。
CLI/APIでOracle Analytics Cloudインスタンスを作成するために、アクセストークンを生成する方法

質問-9: OACインスタンスの詳細画面から、「分析ホームページ」をクリックすると、権限不足のメッセージが表示され、アクセスできません。これを解決する方法は?
回答:デフォルトでは、インスタンス作成者のみが管理者権限を持っています。他のユーザーには権限が付与されていないため、アクセスできません。権限を付与する方法については、次の記事をご参照ください。
OACの分析ホームページが権限不足で開けない場合の解決方法

スナップショットの作成

質問-10: OACスナップショットの作成を自動化したいですが、OCI CLIを利用することは可能ですか?
回答: OCI CLIでは、OACインスタンスの作成や削除、PACの作成・削除などの操作は可能ですが、スナップショットの作成は対応していません。スナップショットを作成する場合、REST APIをご利用ください。

質問-11: REST APIでスナップショットを作成するのに、アクセストークンの発行は必須ですか?
回答: 必須です。CURLコマンドでトークンを取得することができます。

質問-12:トークンを発行するために、機密アプリケーションの作成は必須ですか?
回答: OACインスタンスがまだ作成されていない場合は、トークンを発行するために機密アプリケーションを作成する必要があります。しかし、OACインスタンスが既に存在する場合は、既存のアプリケーションを利用してトークンを発行できます。その場合、新たに機密アプリケーションを作成する必要はありません。

質問-13: 発行されたトークンの有効期限は100秒ですが、変更できますか?
回答:有効期間は変更可能です。変更方法については次の画面をご参照ください。

アプリケーション詳細 → OAuth構成 → OAuth構成の編集
Edit OAuth configuration

質問-14: インターネットを経由せずに、スナップショットをバケットに出力できますか?
回答: 可能です。サービス・ゲートウェイ(SGW)を使用すると、OCI内部の通信でオブジェクト・ストレージにアクセスできます。SGWのサービス・タイプはOCI Object Storageで十分です。詳細な作成手順については、次の記事をご参照ください。
REST APIでOACスナップショットを作成する方法

以上

参考資料
OCI Public PaaS/IaaS - What happens to the billing when you pause an Oracle Cloud Analytics instance (Doc ID 2934259.1)

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